行政書士試験 · 商法・会社法
持分会社の運営:責任・業務執行・持分譲渡

合名・合資・合同を、定款と社員の役割で読む
持分会社の社員は従業員とは異なる出資者の法律用語。責任構成を復習し、合同会社の設立時の出資、業務執行と代表、持分譲渡と定款変更を整理する。
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この記事でわかること
持分会社の社員は従業員とは異なる出資者の法律用語。責任構成を復習し、合同会社の設立時の出資、業務執行と代表、持分譲渡と定款変更を整理する。
- 持分会社の社員の責任と合同会社の出資を説明する
- 業務執行と代表の原則・定款による変更を理解する
- 持分譲渡と定款変更の同意要件を区別する
1.社員は出資者の意味。会社と社員の責任を分ける

持分会社は合名・合資・合同会社。576条では、合名は全員無限責任、合資は無限責任と有限責任の社員、合同は全員有限責任という構成を定める。580条は会社財産で債務を完済できない等の場合の社員の連帯責任を定め、有限責任社員の限度は未履行の出資価額である。合同会社では578条により、設立登記までに出資に係る金銭全額の払込み等が必要となる。ここで社員とは従業員の意味ではない。会社自身は法人として債務を負う。
2.業務執行は社員が原則。代表する人も別に確認する

590条では、定款に別段の定めがなければ社員が持分会社の業務を執行する。社員が複数なら業務の決定は社員の過半数が原則で、常務は単独で行えるが、完了前の異議による例外がある。591条は定款で業務を執行する社員を定める場合を扱う。599条では業務執行社員が会社を代表するのが原則だが、代表者を別に定めた場合等は異なる。株式会社の株主総会・取締役の仕組みを、そのまま持分会社に当てはめない。
3.持分譲渡は他の社員の承諾、定款変更は総社員の同意が原則

585条1項は、持分の全部・一部を他人に譲渡するには、原則として他の社員全員の承諾を求める。ただし業務を執行しない有限責任社員は、業務執行社員全員の承諾で譲渡できる。同条4項は定款で別段の定めをすることを認める。637条の定款変更は総社員の同意が原則だが、ここにも定款による別段の定めがある。誰の持分の譲渡か、誰の承諾が必要か、定款変更も伴うかを順に分ける。
要点の整理
要点の確認
- 合名=全員無限、合資=無限と有限、合同=全員有限。
- 有限責任社員の責任限度と、合同会社の全額出資を組み合わせる。
- 業務執行と代表は原則・定款・代表者の定めを確認する。
- 持分譲渡と定款変更の同意要件は、例外と定款を含めて読む。
オリジナル確認問題と解説
オリジナル確認問題
実際の過去問本文の転載ではありません。理由を考えてから、正解と解説を確認してください。解答を記録する場合は学習アプリで解くこともできます。
問1 · ○か×か
合同会社では、定款上すべての社員を有限責任社員とする。
問2 · ○か×か
580条2項の有限責任社員の責任限度は、出資価額から既に履行した出資価額を除いた額である。
問3 · ○か×か
持分会社の社員は、定款で業務執行社員を限定しても、全員が必ず業務を執行しなければならない。
問4 · ○か×か
業務を執行しない有限責任社員の持分譲渡は、585条2項により業務を執行する社員全員の承諾があればできる。
問5 · ○か×か
637条による持分会社の定款変更は、定款に別段の定めがなければ、総社員の同意による。
根拠・参考資料
- 会社法:持分会社の責任構成第3条・第576条確認日 2026-10-23
- 会社法:合同会社の出資・社員の責任第578条・第580条確認日 2026-10-23
- 会社法:業務執行と代表第590条・第591条・第599条確認日 2026-10-23
- 会社法:持分の譲渡・定款変更第585条・第637条確認日 2026-10-23
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